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高島
【たかしま】


児島湾内の小島。岡山市宮浦沖約800mにある。標高30m余,東西約200m,南北約600m,周囲約2.3km,面積約0.4km(^2)。地質は花崗岩からなる。南北に長く,南嶺と北嶺に分かれ,北よりに松林になった低地がある。南に高島神社があり,宮浦地区の氏神で,祭礼には神輿渡御の行事がある。良質の井戸水に恵まれ,かつては沖新田の住民が船で飲料水を求めにきていた。かつて数戸あった民家も今はない。この島は神武天皇東征のとき立ち寄られたという吉備高島宮の伝説の地である。南嶺の頂上には高さ3.5mの巨岩とその周囲に大小150個ほどの石を配置する古代祭祀遺構がある。その付近からは5世紀末と考えられる土器や勾玉・鏡・刀・鎌などが出土している。天狗山北麓の下層からは縄文晩期・弥生前期の土器,上層からは5世紀末頃の土器が出土している。明治中期藤田組はこの島付近を児島湾開墾4区として干拓を計画,のちこれを放棄したがこの島の所有者は藤田組となった。大正13年岡山市が藤田組より借用して全島に桜林をつくり,海水浴場を開いたが,周囲の海は泥質で成功しなかった。第2次大戦後所有権は同和鉱業に移った。昭和31年児島半島の金甲山・貝殻山などとともに瀬戸内海国立公園に編入された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7184703