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鶴形山
【つるがたやま】


倉敷市本町阿知2丁目に位置する小丘陵。標高37m。市街地のほぼ中央にあり,周囲約1km,面積7ha,円形で孤立している。周辺は近世初期まで阿知の干潟と呼ばれる海であり,ここは島であった。天正12年岡山城主宇喜多秀家によって宇喜多土手が築かれ,陸地化が進んだ。山域にはウバメガシ・トベラ・マサキ・クスドイゲ・ツワブキ・オニヤブソテツなど海岸性植物の分布が多く見られる。明治中期までは妙見山と呼ばれていたが,明治24年町制施行を記念し,鶴形山と改名し,公園も造られた。山中には倉敷の総氏神である阿智神社や観竜寺・誓願寺がある。カシ類など常緑広葉樹林で覆われているが,ムクノキ・エノキの大木が点在し,市民の憩いの場として親しまれている。神社本殿の西側にある巨石群は古代祭祀遺跡である磐座と考えられている。北斜面に昭和31年県天然記念物に指定された阿知の藤(推定樹齢500年)があり,淡紅色の花を咲かせる。南側一帯は,昭和54年倉敷市倉敷川畔重要伝統的建造物群保存地区に選定され,この地区を訪れる観光客の散策コースとなっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7185108