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鶴島
【つるしま】


日生(ひなせ)諸島の1つで,和気郡日生町沖にある。瀬戸内海国立公園に属する。周囲2.1km,面積0.16km(^2),最高所51.1mの小島で,北西岸にわずかな砂浜があるほかはなだらかな丘陵が海岸に迫り,播磨灘に面する東岸は断崖となっている。江戸期には岡山藩鶴島守護役の藩士間の個人所有の無人島であったが,明治2年明治新政府のキリスト教弾圧によって捕らえられた長崎浦上のキリシタンのうち117人が岡山藩に預けられ,同3年9月この島に送られた。明治6年に信教の自由が認められるまで過酷な開墾と改宗を強要され,その間に18人が死亡したが,その墓地は南東の丘陵斜面にあり自然石による墓石が残っている。その後島は個人所有,さらに農林省所有となったが,昭和17年頃再び個人所有の島となり,開墾が進められた。同61年5月現在,所有者の家族1世帯4人が居住し,海水浴・釣り・潮干狩りを目的とする観光客を対象とした民宿業を営んでいる。近年までは開墾地でミカン栽培が行われていたが,松くい虫による防風林の被害と京阪神方面からの民宿客の増加で廃園となっている。現在この島への定期船は運航されていないが,観光客の送迎は民宿業者が随時行っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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