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天神峡
【てんじんきょう】


後月(しつき)郡芳井町吉井にある小田川上流の渓谷。約1kmにわたる川幅約50mの峡谷で,河床には千枚岩や石英斑岩などの石が散在して河原が美しい。両岸の山腹にはモミ・カシ・ツバキ・ケヤキ・モミジなどの老樹が繁茂している。特に,紅葉の美しい景勝地で,昭和31年県名勝に指定された。峡谷の中程に菅原道真を祀る天神社ができてからは天神峡と呼ばれるようになったが,それまでは特にこの峡谷の呼称はなく,「はやたつの河相の水の流れてはにごりなき世のあふ瀬なりけり」(善滋為政)と河相(現吉井町川相)の地名で歌われている。また京都の嵐山に似ていることから,吉井町に桜渓塾を開いた幕末の漢学者阪谷朗盧はこの峡谷を小嵐峡と名づけている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7185147