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天神山
【てんじんやま】


著者不詳の「当府岡山由来の事」や木畑道夫著「岡山城誌」によると,旭川の流れによって形成された沃野の中に3つの丘があり,岡山・石山・天満山と称していたとある。そのうち東にある岡山は古くは柴津岡山といって今の本丸の地を,西方の石山は今の西丸の辺を指し,西北にも小高い嶺があり天満山と号していたらしい(吉備前秘録上・新編吉備叢書)。天満山の北端に大きな石があり,これを天神岩といい,そのふもとにももう一石あって天神の向影石と呼ぶ習わしがあったという。また傍らに天神の丘があったから,いつの頃からか1つの小山を天満山とも天神山とも称したようである。しかし,元禄年間ころに描かれた「岡山城下之図」によれば,この小山の北端は,南から北へ張り出した2つの舌状地形に分かれ,その西側が鴨方藩主池田信濃守の屋敷,東が酒折神社となっており,上記の巨岩は池田信濃守の御館のうちに含まれているので,微視的には,一山の東部を天神山,西部を天満山と区分して呼んでいた可能性も強い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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