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二本松峠
【にほんまつとうげ】


県の西部,阿哲郡哲西町大竹と広島県東城町福代との県境にある峠。標高400m。国道182号の大竹から北の旧道に入り登り切った所で,かつての備中国と備後国との国境にあたる。峠には表「従是東 備中国」,裏「哲多郡 大竹村」と表「従是西 備中国」,裏「奴可郡 福代村」と刻まれた2本の石柱がある。江戸期には簡単な門柵が設けられ,浅野領福代村と幕府領大竹村の役人(百姓番)が常駐し,国境の警備にあたっていた。以前は往来が頻繁であったが,大正9年に南新道(現国道182号)が,昭和5年には芸備線が開通するなどで衰退した。かつての峠の茶屋であった熊谷屋跡に若山牧水の碑がある。明治40年早稲田大学の学生であった牧水が,宮崎への帰路にこの地で詠んだ「幾山河越えさりゆかば寂しさのはてなん国ぞけふも旅ゆく」を記念して昭和31年に建立されたものである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7185750