100辞書・辞典一括検索

JLogos

11

人形峠
【にんぎょうとうげ】


苫田郡上斎原村と鳥取県三朝町の県境にある峠。標高735m。中国山地分水嶺にある。津山から倉吉へ抜ける往来はかつて上斎原村本村から人形仙川に沿ってこの峠の西約3kmの地点にある人形仙の東鞍部を通り,三朝町穴鴨へ抜けていたが,明治37年上斎原村石越から天王を迂回する里道が改修され,現在の人形峠となった。昭和30年8月国鉄バス美伯線開通。同年11月には通産省工業技術院地質調査所の自動車探査班がこの峠道の改修箇所でウラン露頭を発見,峠道大改修の端緒となった。この頃よりこの峠を人形仙にちなんで人形峠と呼ぶようになった。同38年国道179号に昇格。峠の両側は屈曲の著しい急坂が連続し,そのうえ冬の積雪・凍結時にはしばしば通行止めとなった。また中国自動車道の開通は利用車両の増加を促すと予測されたため,同52年からトンネル化工事が進展,同56年天王と三朝町栗祖を結ぶ全長1,856mの人形トンネルが開通した。昭和31年8月原子燃料公社倉吉出張所が,翌年人形峠出張所が開所され,本格的にウラン鉱の探鉱が行われた。国道沿いに奥津・三朝の両温泉があり,恩原高原・高清水高原にも近く観光の一拠点ともなっている。同58年には原子力展示館が開館,見学者も多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7185762