100辞書・辞典一括検索

JLogos

9

二上山
【ふたかみやま】


久米郡中央町両山寺にある山。標高689.2m。頂上が二峰に分かれており,西峰を城山,東峰を弥山という。このことから二上山の山名が起こったという。浸食小起伏面にそびえる安山岩の残丘で,周辺一帯は吉備高原の北東部にあたる。中生代のジュラ紀に陸化したこの地域は,白亜紀に安山岩の噴出があった。中生代の末期に北東―南西方向に3本の断層が入り,その後断層線沿いに小規模の谷が形成された。現在,断層谷は水田化され鞍部に乢(たわ)地名が残る。西峰の城山は,戦国期に尼子氏の出城が築かれていたことから,高陣峰とも呼ばれる。現在クヌギなどの雑木が茂り,山頂部には山陽放送の鉄塔が設置されている。城山から旭町小山方面にかけて「あまんじゃくの重ね岩」と呼ばれる安山岩の節理による岩石群があり,民話「アマンジャクの星とり」を生んでいる。東峰の弥山は比較的眺望が良く,北側から久米町・津山市にかけての家並み,遠くは中国山地を望むことができる。冬の眺望の良い時は伯耆大山も遠望でき,南側からは瀬戸内海も見えるという。弥山には越後国の修行者泰澄の開基とされる真言宗の古刹両山寺がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7186394