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三木ケ原
【みきがはら】


真庭郡川上村上福田の皆ケ山の南麓にあり,東の湯船川と西の明連川に囲まれた標高500~600mの高原。大正14年編の「川上村郷土誌」には眺望展開の地で湯船野と記されている。大山より眼前の蒜山(ひるぜん)を一望する景勝地で蒜山観光の中心地となっている。明治31年から大正期にかけては陸軍第4師団の軍馬放牧場,昭和10年からは陸軍第10師団の演習場として利用された。第2次大戦後,食糧緊急増産対策のための開拓地に指定され,原野の開拓が進められた。昭和32年蒜山地方の観光開発に熱意を示す県知事三木行治が,地元川上村長法華暉良の招きにより来村,上福田池ケ平にキャンプを張り,蒜山を西の軽井沢にするという知事に敬意を表し三木ケ原と名付けられた。同年完成の県立蒜山キャンプセンターは観光施設第1号である。同36年には三木ケ原が蒜山国民休暇村に指定され,同38年には大山隠岐国立公園へ編入された。一方,蒜山地方は昭和29年美作集約酪農地域に指定されて酪農化が進み,中国四国酪農大学校の三木ケ原牧場は,ジャージー種乳牛が放牧される高原の牧場として有名となる。同45年には,ここを起点とする蒜山大山有料道路が鳥取県江府町の鏡ケ成国民休暇村まで開通し,大山方面と直結した。現在は国民宿舎を中心に,宿泊所,レストランなどの観光施設,企業の保養所・別荘,大学の寮などが立ち並び,四季を通じてにぎわっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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