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三国山
【みくにやま】


阿哲郡神郷町,鳥取県日南町および広島県東城町の三県の境界にある山。標高1,130m。備中・備後・伯耆の三国にまたがるためこの名で呼ばれてきた。なだらかな稜線をもつ老年期の山で,全山スギやヒノキの人工造林に覆われており,鳥獣保護区に指定されている。備中側の山ふところにあたる三室では,近世から明治初年にかけて,備後の国境から井手を引いて秋の彼岸から春の彼岸までのひとくるび(一来尾)のかんな流しが盛んに行われた。高瀬では明治中期まで伯耆国からも「ずく」を運んで精練しており,大鍛冶屋が営まれてきた。かつては製鉄用の木炭の生産が盛んであったが,現在では植林により植生が変わってしまった。三室にはシャクナゲの大群落がある。三室から沢沿いの小径を辿って登山することができる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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