100辞書・辞典一括検索

JLogos

10

操山
【みさおやま】


岡山市街地東部にある花崗岩を基盤とする丘陵。標高168m。江戸期には三棹山・三櫂山と記した。操山を含むこの独立した山塊は西南から東北に向けて5kmを越えて延びており,西端の小丘である幣立山まで含めて,操山山塊と呼ばれることが多い。東半分の中心は標高145mの笠井山である。南に張り出した丘陵は標高108mの瑜伽(ゆか)山で,この丘陵をも含めて操山と呼ぶことも多い。ここにある配水池も操山配水池と名付けられている。現在は林野庁によって操山自然休養林に指定され,山塊全体が保護されている。丘陵では先土器時代の石器も発見されているが,古墳も百数十存在するといわれ,操山古墳群という総称で知られている。北麓には条里制の遺構が残っており,南麓は近世の干拓事業によって耕地化された。また由緒ある神社古寺も多くあり,明治8年につくられた三勲神社は尾根に礎石を遺すのみであるが,西麓には五百羅漢で有名であった少林寺があり,西北から登ると安住院と,後楽園の借景で知られる多宝塔が中腹に立っている。北麓の沢田には恩徳寺があり,その西側の尾根は明禅寺城跡である。南麓には,仏心寺,池田家の菩提寺である曹源寺があり,瑜伽山には瑜伽神社・松琴寺がある。北麓・東麓にも神社仏閣は多い。山すそでは,ブドウ・モモ・カキなどの果樹の植栽やタケノコの産出がみられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7186679