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妙見山
【みょうけんざん】


和気郡佐伯町北山方と英田(あいだ)郡英田町上山との境にある山。標高519.2m。備前国と美作国の国境でもあった。吉備高原の東部にあり,流紋岩が広く分布する中で中生代後期の石英閃緑岩よりなる残丘。妙見山は妙見信仰にかかわる山で,その信仰は北極星・北斗七星を神格化したもので,この星に向かって長寿延命・除災招福・眼病平癒などを祈る。その祈祷法を北斗七星(尊星)法といい,中国の道教に基づくところが多い。この信仰は平安期にわが国に伝来したといわれ,中世日蓮宗寺院で採り入れられてから,各地に広く流布するようになった。山頂の一等三角点は英田町に所在し,すぐ南にある天津神社(もと妙見神宮)跡碑,明治21年上山村字大芦講中が開運を願って建立した題目碑は佐伯町に属する。山頂まで道路の拡幅,舗装が完成し,手近に登ることができ,山頂からは四囲の展望がすばらしい。北側の大芦高原は「太陽と緑と水のハイランド」として町による観光開発が進められ,妙見山東のキャンプ場,西の大芦(足)池周辺の夜間照明付きテニスコート,高原プール,宿泊施設などが建設された。北側に比較的緩やかに傾斜する谷に開かれた棚田は等高線を示すように見事で複雑な模様を見せる。東の鳥坂の妙徳寺は文治年間源頼朝により西国諸国の平穏を祈願して建立されたが衰微し,弘治年間天神山城主の浦上宗景の祈願所として再興,現在無住で長福寺が管理している。南の佐伯町分は民間資本により昭和60年ゴルフ場が完成した。妙見山へは英田町奥からの林道作備線,国道374号では佐伯町長楽寺からの佐伯スカイライン,同町塩田より十町谷断層に沿う道路などがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7186905