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物見峠
【ものみとうげ】


苫田郡加茂町と鳥取県智頭町との県境にある峠。標高635m。近世因幡往来は津山から野村へ出,日本原・黒尾峠を経由するものと,加茂川沿いに草加部・綾部・堀坂・知和を経て,この峠を越えるものとがあり,前者は国道53号として整備されたが,後者は県道のまま取り残された。加茂町北部は中国山地脊梁部で標高600~1,000mの山々により鳥取県と境され,この地域から因幡へ出る往来はいずれも険しい峠に依存していた。近世の「美作国絵図」にも,「坂難所」と記されている。明治期に入り,車馬交通の発達に伴い,峠の切下げ拡幅工事が明治7・15・40年の3回にわたり行われ,茶屋も開かれるなど往来が盛んになった。昭和7年延長3,078mの物見トンネルの完成により,国鉄因美線が開通して利用者が激減した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7186991