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弥高山
【やたかやま】


川上郡川上町高山にあるつり鐘状の山。標高654m。弥高い山という意味から名付けられたが,茶碗に飯を盛ったような形に見えるところから飯野山ともいう。昭和32年県名勝に指定された。吉備高原には弥高山を含めて大小30以上の玄武岩鐘が点在する。その成因は,礫層中に玄武岩が貫入し,その後の差別浸食の結果により残丘となったと考えられている。山麓からは,第三紀層時代は海底であったことを証明する多数のウニ・二枚貝・まき貝などの化石も多産している。加えて,この付近は中生代・古生代の地層が複雑に入り込んでいるところで,このような小地域にあって,三代の地質がそろっているのは珍しいとされている。山頂からの眺望は特にすばらしく,昔から備前・備中・讃岐等々13州に及ぶといわれ,晴天の日には,大山から瀬戸内海まで見通すことができる。また,秋の雲海は多島海を思わす景色となり,その美しさは特に有名である。かつては,山全体にカッコウ花(レンゲツツジ)が咲き乱れていたが,今はサツキやツツジになった。夏には,キャンプ場としてにぎわい,県南や福山方面から多くのキャンパーを集め,川上町の観光開発の拠点となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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