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山形仙
【やまがたせん】


勝田郡勝北町山形・西上の北にある山。標高791.1m。同町奥津川や津山市三浦との境に位置する。岡山・鳥取両県境にある那岐連峰の南西端を構成する東西に長い山塊で,東端は声ケ乢の鞍部を越えて,広戸仙以東の標高1,000mを超す那岐山塊に続く。南は日本原の西に開けた広戸川流域の低地に急斜面を向け,西は加茂川へ落ち込んで対岸の天狗寺(てんぐうぎ)・烏ケ仙の山塊に相対する。北は津川川の谷であり,北西斜面を中山仙とも称する。地質は中生代~第三紀の安山岩からなる。南麓にある山形が山名の起源である。山形は仁徳天皇の妃吉備(海部)の黒媛の生まれ故郷との伝承があり,天皇が吉備行幸の時詠んだ「山県に蒔けるあをなも吉備人と共にし摘めば楽しくもあるか」の「山県」であるという。山麓には黒媛畑や黒媛城址,西部の桜には桜の御殿などの地名も残り,県下に多くある黒媛伝説の地の1つである。山麓の山形八幡社を親神として,11月3日に行われる新野まつりは,県重要無形民俗文化財に指定されている。氷ノ山後山那岐山国定公園に属している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7187093