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吾妻山
【あづまやま】


阿図馬山とも書く。比婆郡比和町と島根県横田町の境にある山。標高1,238.8m。比婆道後帝釈国定公園のうち。伊邪那岐命が,この山から伊邪那美命を葬った美古登山(比婆山)を望み,「吾が妻よ」と懐かしんだことから名づけられたとする伝説がある。核心部は玄武岩で構成され,山頂付近の平坦地と周囲の急斜面が対象的なメサ地形となっている。西麓の池ノ原はブナ林と庭園状群落をなす草原が組合わされた標高1,000mの平坦地で,国民宿舎・キャンプ場があり,県民の森の西の中心地である。また,付近はかつて砂鉄の大産地であったため,鉄穴流しに使われた溜池や水路跡,鉄穴残丘がある。東麓の大膳原は夏季に牛の放牧地として利用され,吾妻友の会山ノ家がある。昭和47年,玄武岩基底の標高1,000m付近から海成中新統の備北層群が発見され,中国山地形成を知る手がかりとして注目を浴びている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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