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阿武山
【あぶさん】


阿生山(芸藩通志)・虻山(佐東町史)とも書く。広島市安佐南区佐東町地区の八木にある山。標高586.4m。北東方向の断層線に支配されて南東は急斜面で太田川の沖積平野に接する。西側は緩傾斜で安佐北区安佐町筒瀬に下る。黒色千枚岩および粘板岩の堅い古生層が花崗岩体に載る地質をもつ。団塊状の高い山で周辺に高い山がなく独立峰の山容を呈する。「芸藩通志」には「阿生山,府城の北,三里許,大田川の上にあり,群の望山とす,峰尖高く秀で麓は八木,緑井,筒瀬に跨る」とある。南西の権現山(397.1m)と同じく自然信仰の対象であった。八木字上楽地にある蛇落地観世音菩薩堂は弘化4年まで山頂にあった(佐東町史)。香川勝雄の大蛇退治の伝説の地。大蛇を退治した勝雄は大蛇の毒気にあてられ眼を病むが,目薬滝の霊水で癒えたと伝えられる。「芸藩通志」のいう「霊水,八木村,阿生山の内にあり,眼疾にそそぎて効ありといふ,俗にきろく水とよぶ,記録の字を用ふ,その義をしらず」である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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