100辞書・辞典一括検索

JLogos

15

阿弥陀山
【あみだやま】


佐伯郡北東,湯来町の中央にある山。標高837.1m。北東~南西方向の断層に挟まれた山塊の秀峰で,南西に大峰山,北東に東郷山がそびえる。南東側は急斜面で直線崖をなして広大な緩斜面の麓に至るが,西側は緩やかに起伏する高原状を呈する。南北約3kmに及ぶ山塊は,湯来町を二分する。北側を北東に流れる水内(みのち)川は太田川水系で,南側は南流する八幡川水系である。「安芸国,出合之清水鷺森,阿弥陀峰爾厳島姫」(芸備国郡志)と歌われたように,古来安芸の名所の1つ。出合之清水は北方4kmの湯ノ山温泉を指す。山頂近くにある窪地は蛇ノ池の伝説の地。南東8kmにある極楽寺山(この山頂にも蛇ノ池がある)とを行き来していた化け蛇を田村九郎太兵衛が退治した。彼は鬼九郎太兵衛の呼び名を得,その記録や使われた弓矢は保存されているという伝説。東麓に広がる大森八幡神社の社叢はモミ林が保存され,約1.2haの原生林は県天然記念物。社叢から北斜面一帯は,昭和47年,明治百年を記念する憩いの森の1つとなった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7187509