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粟屋峠
【あわやとうげ】


犬伏山粟屋峠ともいう。高田郡美土里町生田の犬伏山西麓に位置する峠。標高570m。県道が峠道となる。近世の石見路(出羽越)により大森銀山と広島城下の中間に位置する峠周辺は,「国郡志書出帳」に「素生田ハ,犬伏山粟屋峠内山と申て」とし,「芸藩通志」によると「もとは池田とも書けりといふ」とあり,峠周辺にある溜池により村落が成立したことを物語っている。「高田郡誌」には「山形峻嶮ならずして巍然たり……其風光は本郡高山中にありて第一と称す,西方里道あり,粟屋峠と称す」と記し,「国郡志書出帳」には峠東方の名山犬伏山からの眺望を「絶嶺を風越の峰と云」とし,「秋日晴天には石州之海辺沖津島山迄も見え申候」と評している。北麓には,元禄13年11月9日に芸石の国境界木が立てられ,享保10年8月に番所が建てられた。南麓の生田市には本郷番所が設置され,石見銀山からの荷物の検見を行った。現在は県道が開設され,自動車通行もより便利となった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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