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生野島
【いきのしま】


別名馬島。大崎上島の北東に位置する島。大崎上島東部を占める豊田郡東野町に属す。周囲12.6km,面積2.2km(^2)。人口は減少傾向にあり,昭和54年12月現在で44世帯,96人となっている。北東に開口する湾は月之浦と呼ばれ,逆の南西側は3支の入江に分けられ,中央の入江が福浦で,白水の小・中学校へ通学する児童・生徒のためのスクールボートが通う。島名は藩政期にも「いきのしま」であったが,広島藩で馬を飼育(放牧)していたため,別名を馬島という。月之浦を形成する東側の半島の東岸には小馬取・大馬取の地名があり,ここへ馬を追い込んで捕えたという。第2次大戦後,123haが県営開拓地として払い下げられ,国有林は耕地化されて柑橘園になった。福本清「大崎上島東野村史」上巻によれば,遺跡調査から当島では2,000年前にすでに人が居住したという。すなわち,西側海岸一帯の縄文式磨製石斧や土器,弥生土器や横穴式石室,中央部では福浦湾近くの箱式石棺や師楽式土器,東側海岸での弥生式磨製石斧や師楽土器など古代における繁栄の一端をうかがい知ることができる。現在,離島振興対策実施地域。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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