100辞書・辞典一括検索

JLogos

18

斎島
【いつきしま】


芸予諸島のうち西部に位置し,豊島の南にある島。豊田郡豊浜町に所属する。面積0.7km(^2)。人口114(昭和50年)。明治22年までは斎島村として独立していた。島の周囲は斎灘と呼ばれるが,より広域的には安芸灘の名がある。「芸藩通志」によれば,江戸末期には八十石積以下で30艘の船があった。豊浜町の南沖合い一帯は豊島漁港であるが,同時にイカリ漁業の漁場でもあり,付近の網代では北極近海から渡来する県鳥アビを利用したタイ・スズキの鳥付こぎ釣りが,1月1日~5月31日を漁期として行われる。いわゆるあび漁で,斎島の周囲もこの漁場で,豊浜村役場「とよはま便覧」によれば,元禄8年斎島の漁夫又右衛門・吉蔵・弥右衛門や,尾久比島の西の網代を発見した豊島村の3名の漁夫が斎島周辺での網代を発見したという。なお,斎島を母港とする離島航路の同栄丸は,御手洗―大長―久比―立花―豊島―大浜を経由して斎島に至る航路をもつ。島の西寄りに標高105mの峰があり,港は北向きで小入江を利用し,漁船もいる。当島は,南西の愛媛県安居島と同様に古くから安芸灘を通過する航路の目標になり,安居島は風待ち,潮待ちにも利用された。内海を東西航する航路が,両島の北(クダコ水道系)と南(釣島水道系)にあり,両者は来島海の北入口の西で合する。北を通る航路はあび漁の漁場を通過するため,航路を南へ寄せることが認められた。なお,「芸藩通志」によれば,斎内親王幣物料の地ということが地名の由来という。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7187639