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厳島
【いつくしま】


広島湾の西岸,佐伯郡大野町との間に幅約0.5kmの大野瀬戸を隔てて位置する島。全島佐伯郡宮島町に属す。面積30.2km(^2),長さ約9km,幅約4km。全島花崗岩からなり,起伏の大きい山地が大部分を占める。山塊は北東の最高峰弥山から南西の岩船岳に峰を連ねる。山麓部には緩斜面が発達する。海岸線は海食崖をもつ岩石海岸の間に七浦めぐりで知られる砂浜海岸がある。集落は島の北西岸の厳島神社を中心に立地する。厳島とは神をいつきまつる島を意味し,古来,島そのものが神として信仰されてきた。社殿の創建は推古天皇の時代といわれるが,平安末期平清盛が安芸守に任官して,現在の規模に造営した。寝殿造りを模した社殿や平家納経など国宝の数々は平家の隆盛を示す。人や文化の交流はあったものの昔は人の居住は許されなかったという。だが,室町期になると神社専属の手工業者が移り住み,参詣者のための宿屋もでき,門前町が形成された。江戸期になると広島藩の奉行所が設けられ,信仰の地としてだけでなく交易地としても栄えた。現在は日本三景の1つの観光地で,国特別史跡・特別名勝となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7187642