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犬伏山
【いぬぶしやま】


高田郡美土里町の北にある山。標高791m。山麓一帯はスギ・ヒノキが植林され,約9割が国有林。頂上からの眺めはよく,晴れた日には,はるかに石見の島々の展望がきく。「芸藩通志」には,「郡の北境にあり,絶頂を風越嶺とよぶ,山は川根・生田二村に面へども,其背は,石見銀山領,大林久喜二村,浜田領,阿須那,戸河内などの数村に亘る。晴日に西海を望むべし」と記す。平安期から戦国期にかけて,妖怪が住む山として地元民に恐れられてきた。山中に鰻鱺(うなぎ)沼があり「大鰻鱺ありて人を害す」(芸藩通志)とも記されている。犬伏山と呼ばれるようになったのは,昔,不良山伏がたびたび山を下って生田市に現れ,村人に迷惑をかけたので,山伏でなく犬伏だといって非難されたことにちなむと伝える。北麓には,将軍足利義昭を葬ったと伝える,天下墓のある智教寺がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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