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猪辻山
【いのつじやま】


神石(じんせき)郡油木町の北部,旧小野村にあり,岡山県境にそびえる山。標高731.0m。標高500~600mのなだらかな隆起準平原上に突出する鐘状火山。四囲の群峰をしたがえ,大猪辻・中猪辻・大仙の3山に分かれる。北方を望むと伯耆大山と石見三瓶山,南視すれば備中笠岡沖の島々が見える。「神石郡誌」によれば「山頂に虚空蔵菩薩あり,霊威寔に厳かに遠く笠岡沖を航する船を覆すといふ。因て笠岡町(現笠岡市)付近の参詣人夥しく,後,八ケ谷に移し祀る」とある。また,南北に走る尾根が県境。中腹に狼岩があり,その下の洞穴が狼群のすみかとなり,備中との往来を悩ませたと伝える。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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