100辞書・辞典一括検索

JLogos

14

岩山
【いわやま】


呉市の北東部郷原町北端で,北の賀茂郡黒瀬町との境界にある山。黒瀬盆地の南西縁にあたる。山頂には標高419.5mを示す三角点がある。300mより上は急峻であるが山麓は傾斜が緩く,盆地側からみると象の姿のようにみえる。黒雲母花崗岩よりなりその名のように露岩が多く,急傾斜山腹~山頂にかけて特に多い。「芸藩通志」に城址として「石見源丞,弟三丞同じく居守す,天文廿年毛利氏に滅さる」と記されている。「呉市史」第2巻によれば山麓に亡卒の塚や古戦場等の存在が伝承されるが詳細については諸説がある。山頂に石垣の残る所を二の丸,平坦な広場を本丸と想定する人もいる。城址からは土器片や焼米等が採取されたこともある。太平洋戦争中は要塞地に指定され,山頂に旧海軍の高射砲陣地が置かれた。山頂からの展望は良くハイキングコースとしても適す。なお,東山麓の空条にある穀神社の御神体は弥生時代の石斧で,神社前から出土した物という。また,南山麓にある新堂平神社の社叢およびシイノキは市天然記念物。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7187726