宇賀峡
【うがきょう】

広島市安佐北区安佐町地区，高山川沿いにある峡谷。長さ４km，落差200m。流域の大部分が砂岩を伴う古生層の粘板岩で，花崗岩や石英斑岩，花崗斑岩が点在する。古生層の走向は西北西から東南東で，高山川はこの構造に直角に切り込んだ横谷となって，深さ200～300mの谷の両側には千丈岩や見事な岩峰がそびえている。高山川には小さいながら淵と瀬が交錯し，多くの滝や早瀬があり，唐音滝，からから滝，大きいものに権現滝が主なものである。河床には崩積したひびき岩（径7m），裸岩，くぐり岩，魚切りがある。スギ・ヒノキの植林樹のほかケヤキ・トチノキ・アラカシやシダ・蘇苔類が豊富で，珍しいものにウスバヒョウタンボク・フウトウカズラ・アズマガヤがある。最下流には発電用の宇賀ダムがあり，峡谷一帯はハイキングコースとして整備されている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7187744