宇品島
【うじなじま】

向宇品とも呼ぶ。広島港にある陸続きの島。広島市南区元宇品町に属す。島名は，島の形が牛が伏せたようなので，牛ノ島といわれたという説がある。他説では，昔広島湾を江ノ内といい，島を内ノ島といったという。牛ノ島・内ノ島が宇品奈島に変化し，さらに宇品島となった。明治37年２月，島域は仁保村から広島市へ編入，同年10月元宇品町となった。島の最高点は標高52mで丘陵をなし，瀬戸内海国立公園・元宇品公園域である。林野は国有林で瀬戸内海特有の暖帯林の群落がある。海岸部は北が広島港で倉庫が並ぶ。東海岸は南に造船所，元宇品の集落がある。西海岸には水族館・ヨットハーバーがある。海の汚染で海水浴は行われなくなったが，現在も広島市民の憩いの場である。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7187767