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臼島
【うすじま】


大崎上島の北方に位置する島。豊田郡東野町に属す。面積0.6km(^2)。東野町の西側は島嶼が点在し,その中で最も沖合いにあり,北東の契(ちぎり)島(東野町)と並んで,本土側との間に柳ノ瀬戸を構成する。周囲4.34kmは,東野町で生野島の12.61kmに次いで大きく,他に町内には船島2.55km,佐組島2.39kmなどがある。これらの島と大崎上島の間の海面は,従来有力な藻場であり,魚の産卵場でもあった。毎春,時期を定めて農民がいっせいに舟を出して藻を採取し,麦や芋畑,またみかん園などの肥料に使用した。もちろん,魚の産卵を考慮した後でのことである。島は早くから離島耕作地として東野町の人が開いたようで,船島と同様元禄6年の開発といい,残る石垣は往古の屋敷跡という(福本清:大崎上島東野村史)。船島同様かつては瓦製造のための瓦土を掘り出しており,戦前までは人家があり,竹原―吉名―臼島―六軒―大西の客船航路があった。南北に小丘をもつ細長い島で,周囲の水深は20~40m。かつては竹原周辺から出かける釣場として有名であった。島内には現在,柑橘園や野菜園などがあり,郵便船が役場や郵便局のある白水から通っている。島全体が離島振興対策実施地域,付近一帯は国立公園の区域。臼ノ瀬戸は東にある木臼島との間の水路をいう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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