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雲月山
【うづきやま】


古くは「うづつきやま」,通称「うんげつざん」。山県郡の西北,芸北町と島根県金城町の県境にある山。標高911.8m。西中国山地国定公園のうち。大佐山塊の一峰で,南西に延びる稜線上に大佐山・鷹ノ巣山等の峰が連なり,太田川水系と周布(すふ)川水系の分水界をなす。山の東側中腹を越える標高832mの雲月峠は南北朝期の暦応4年,吉川臣須藤弥五郎景成が石見の河上城主,河上孫二郎入道と戦い,吉川方が大勝したという宇津々木多和(うづつきたわ)の古戦場である(陰徳太平記)。現在峠は県道が通る。藩政時代から明治にかけて砂鉄の採取が行われ,山腹に鉄穴溝の遺構がある。「芸藩通志」には「頂上より伯雲石長の諸山,西海の渡帆を見るべし」と見えてその眺望に勝れ,古くは遠見所も設けられていた。現在,中腹以上は放牧場として利用される草山で,付近にはスキー場・キャンプ場,島根県側には青年の家などの施設が整備され,四季を通じて多くの人が訪れる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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