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江田島
【えたじま】


広島湾のほぼ中央にある島。安芸郡の西部,広島市の南方8.3km,呉市の西方6kmに位置する。全島安芸郡江田島町に属す。東西5.5km,南北12km,周囲36.8km,面積29.9km(^2),人口1万6,659人。当島は南部で能美島と陸続きで,能美島を幹と見立てると江田島は枝に見えることから転じて名が起こったともいわれる。花崗岩からなる山地が大部分で平地が少ない。山地は北半部にクマン岳と,島の象徴古鷹山とが峰を連ね急峻である。両山の間を長谷川が北流する。北半部の山地は昭和53年の山火事で大半を焼失し,緑を失った。南半部山地の尾根は南端の仏ノ塔まで定高性を保つ。集落は島の北岸に切串・大須,江田島湾に面して,津久茂・宮之原・中郷・向側・山田・鷲部,東海岸に小用・秋月,南の能美島との地狭部に江南がある。これらの集落は島内を一周する道路でつながる。島の中心は中郷・向側で町役場があり,旧海軍兵学校跡に海上自衛隊第一術科学校がある。島の玄関は小用港で呉・広島へ定期航路がある。島の農業は傾斜地を利用した柑橘の栽培が中心で,その他少ない平地で,都市向け野菜が栽培されている。呉・広島の通勤圏に入るので兼業農家が大部分。水産業は漁獲量の86%が養殖漁業で,カキの養殖を中心にカザミ・クルマエビの江田島湾内での放流も試みられている。観光としては夏の海水浴・釣り,秋のみかん狩が挙げられ,施設に海上自衛隊術科学校参考館・国立江田島青年の家がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7187870