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江ノ藤山
【えのとうやま】


呉市広町の北端で,同市郷原町との境界にある山。標高664m。灰ケ峰山頂東隣のピーク。高田流紋岩類よりなる。山頂から北西山腹にかけて緩斜面が広がる。また,北東の土山へは比較的緩やかな山稜が続き草地をなす。その他の所は傾斜が急である。「呉市史」第2巻によれば寛文12年の郷原村古図に「えのとうかめ石原」の地名が,また近世末期作と考えられる古図に「御留ヱノトウ山」の地名がみえるという。また,寛文4年に野呂山や北東の土山とともに山論が発生し,郷原村と広村の間でこの山の山林,下草の利用をめぐって争いがあった。さらに,明治15年に広村と栃原村との境界論争があったという。現在,北山腹に,野呂山―灰ケ峰―休山を結ぶスカイラインの通過が計画されている。なお,北山麓の大積付近は市の天然記念物ブチサンショウウオの生息地。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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