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江波皿山
【えばさらやま】


広島平野の先端,広島市中区江波南1丁目から江波二本松1丁目にある花崗岩丘陵。上山(江波皿山,52m)と下山(江波山,37.9m)の2つの丘からなる。古くは広島湾の中の小島で,2つの島は砂州でつながっていた。「芸藩通志」によれば,近世に三角州が広がり,島との間は橋で連絡していた。明治に入ると干拓が進み,島は陸続きとなり,陸軍の射撃場が置かれ,南の湾入部は堤防で仕切られた養魚場であった。前面の干潟はカキ・ノリの養殖場として知られ,江波の港は宮島参拝の船着場としてにぎわった。昭和10年代に入るとさらに地先きの海面が埋め立てられ,海水浴場でもあった。島は完全に三角州の中の丘になった。現在は江波皿山公園・江波山公園として整備され市民の散策の場となり,下山には明治12年に広島地方気象台が置かれ現在に至っている。公園付近は市内電車江波線の終点で車庫があるほか,市街には漁村の風景が残されている。おさん狐の話があり,公園に銅像がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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