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黄金山
【おうごんざん】


広島市市街地の南東,南区黄金山町にある山。標高212m。花崗岩からなり円錐形をなす。かつては仁保島と呼ばれる広島湾の島で,太田川水路の出入口と湾北部をおさえる拠点として15世紀に白井氏が仁保城を構えたらしい。大永2年以降になると安芸国守護の武田氏と大内氏の広島湾頭の掌握をめぐる争いが激しく,仁保島の占める位置は大きくなった。大永7年には一時大内氏の支配下に入り武田氏への攻撃拠点となったが,天文23年郡山城にあった毛利元就の沿岸経営の要地となった。その後,仁保島を知行した三浦元忠の城となり,麓の本浦町にある観音堂は元忠の菩提寺で,境内には墓がある。仁保島は17世紀末の干拓で陸続きとなり,現在では平野の中に屹立する山の山頂からは市街地はもとより広島湾や遠く中国山地の眺望が素晴しく,展望台,休憩所やテレビ塔も置かれている。頂上には原形はないが城の郭,石垣が残る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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