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大久野島
【おおくのしま】


忠海港南沖合い3kmにある島。愛媛県境に近く,竹原市に属す。周囲約4km。西に近接して小久野島がある。三原から南西へ木江沖を通り安芸灘へ抜ける三原瀬戸のルートにあり,島の南の水道は3ノット程度の潮流で,漕速での乗切りは困難である。水道の南側は愛媛県の大三島である。明治33年,外国艦の三原瀬戸進入なども予測して,防御の意を含めて芸予要塞司令部(忠海)が設けられ,翌年大久野島に砲台が構築された。続いて昭和2年陸軍造兵廠火工廠派出所を大久野島に設置することが決定され,同4年には毒ガスの研究と製造が始まった。戦後その後遺症が従業員に表れ,全国的に毒ガスの島として知られた。昭和25年日本に返還され,昭和38年7月大久野島国民休暇村が開所した。内海有数のラドン温泉をもつ宿泊施設で,景勝に恵まれ,海水浴場もあり,さらに展望台・リフトや,工場・砲台などの跡がある。また,伊予西条から波止浜―大島―大三島―大久野島を経て広島を結ぶ22万Vの送電線が同47年に完成。特に当島と本土間は2,357mの間を226mの高さの鉄塔でつなぐという規模の大きさを有する。航路は2系統あり,一方は竹原に本社のある船会社が,三原―木江―大長―豊島の高速船を寄港させている。また,他方は大三島の上浦町井口にある船会社がカーフェリーを井口~忠海間に運航し,それが,当島に寄港している。西にある小久野島とともに付近は瀬戸内海国立公園域。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7187934