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大崎上島
【おおさきかみしま】


竹原市の沖合いにある島。東部は豊田郡東野町,中部と西部は同郡大崎町,南部は同郡木江町である。面積37.66km(^2),人口1万6,084(昭和50年)。属島には有人島に東野町の契島,生野島,臼島,大崎町の長島などがある。無人島では,東野町に佐組・唐・鍋・箱・船・木臼・箕・二子・木村・樋の10島,大崎町に折免・美加子・上・小相賀・大相賀・津久賀・来・裸・津々木の9島がある。当島は倉橋島,能美島に次いで県内で面積第3位,人口は因島,向島,倉橋島,能美島,江田島に次いで第6位となっている。港湾では東野町の鮴崎(めばるざき)港,大崎町の長島を頂点とする大西港,木江の入江を包む木江港,木江の南で沖浦から草木沖に東西に広がる沖浦漁港がある。当島の北は竹原との間に柳瀬戸,東は三原瀬戸,南は明石瀬戸などがある。さらに,東野町で生野島との間は大崎瀬戸があり,属島を含む海面は内浦と呼ばれ,東野町東側海岸の外表(そとおもて)と相対する。木江港付近の古生層に中生代の高田流紋岩があり,西部で北と南に中生代の広島型花崗岩が分布する。洪積世における陸上部での北東から南西,北西から南東の断層が島部にも延長して考える場合があり,当島の東と南はほぼその線に沿う。江戸期における竹原その他の製塩に伴う塩木,製品の輸送,藩米の大坂輸送などで海運業や造船業が発達し,明治以降の柑橘の普及などが島の経済を支えてきた。島内3町は好対照をなす面がある。たとえば各町の産業別人口比において,耕地の広い大崎町は一次,造船と鉛精錬の東野町は二次,島嶼部の行政・経済の中心である木江町は三次産業に中心をもつ。島の人口は約1万6,000人であるが,3町のうち商船高専をもつ東野町のみ男子が女子よりも多い。橋と水が島民の関心事であるが,県主管による太田川からの安芸灘地域水道用水供給事業は昭和52年に完成し,上水や柑橘の防除などに役立っている。日常交通は竹原が主対象で竹原広域市町村圏に属するが,鮴崎・木江両港は三原に直結する高速艇も就航する。上島蜜柑は大西の共同選果場から送り出され,広島以外に島根・兵庫・山梨・宮城・北海道などへのトラック輸送が盛ん。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7187942