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大崎下島
【おおさきしもじま】


竹原市沖の大崎上島の西方に位置し,芸予諸島の一部を占める島。大部分が豊田郡豊町,一部同郡豊浜町に属す。東は御手洗瀬戸を挟んで愛媛県の岡村島がある。面積17.52km(^2)は上蒲刈島に次いで県内第10位,人口6,257は生口(いくち)島に次いで第8位。島の西部,立花・大浜の4.32km(^2)は豊浜町域分。属島には平羅(へら)・中ノ・小島・鍋・三角の島々など。御手洗瀬戸~久比一帯の海面は御手洗港域。内海を東西航する船が,古代から中世へかけて安芸地乗りから伊予中乗り(弓削瀬戸~鼻繰瀬戸や木江沖のコースなど)へ,沖合い航路をとるなかで,御手洗瀬戸は絶好の潮待ち・風待ちの場所であり,明治になっても避難港として有名であった。県境付近にあるため,かつては今治と尾道へ番船を出していたが,木江―大長―今治のフェリーがあり,自動車便に変わった。竹原・三原~豊島の交通体系から大長桟橋が栄え,仁方~今治も含めての高速艇の交通の要衝。明治20年代以降機械船の時代となり,潮待ち・風待ちの必要もなくなり,後背地をもたない御手洗港はしだいに衰退した。現在は若胡子屋敷,住吉社の玉垣に残る豪商の名,海岸沿いにある舟宿の旧家などが往時の繁栄の名残をとどめる。当島はかつて大長島・御手洗島と称したこともあるが,近年では単に下島とも呼ばれる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7187944