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折敷畑山
【おしきばたやま】


佐伯郡の南東に位置する廿日市市宮内と同町原の境にある山。標高365.3m。背後にそびえるのうが高原(733.0m)の支脈で地質は花崗岩。無数の谷が縦横に刻み,複雑な地形を呈する。花崗岩の巨岩が浸食から取り残され,奇岩を多く生み出す山である。北東側に船石・烏帽子岩・燕石・白石がある。南西側に塔岩・傘石・机石があり,いずれも形状から名づくと「芸藩通志」にある。折敷畑古戦場で有名な山。「天文廿三年六月朔日,毛利父子,周防の兵宮川等と合戦の地なり,陰徳太平記所載,又後太平記,西国太平記には九月十四日と記せり,事跡亦各異同あり,是非ならず,此役,周防勢敗北して,宮川甲斐も戦死す,毛利氏所獲の首千六百七十余級といふ」(芸藩通志)。「毛利家文書」「譜録」(ともに廿日市町史収録)にも多くの記載が残る。毛利氏の勢力確立の合戦であった。南麓を旧津和野街道が西方に抜ける要地であった。南麓にある碑は宮川甲斐の慰霊碑。宮川甲斐守切腹址と刻印される。横には切腹岩が残されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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