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恐羅漢山
【おそらかんざん】


山県郡の西部,戸河内町の横川(よこごう)と島根県匹見町との県境にある山。標高1,346.4m。県内の最高峰。西中国山地国定公園のうち。島根県側では大亀谷山とも呼ぶ。西中国山地の最深部に位置し,周囲には砥石郷山・内黒山・十方山・聖山など標高1,000mを超す山々が連なる。その間を「急流にておそろしき山中に而御座候,此間に滝も御座候,誠に人跡絶たる山谷にて御座候」(国郡志書出帳)といわれた三段峡とその支谷が山裾を深くえぐって流れる。古来,恐羅漢山の山麓横川から戸河内町本郷への道は川沿いの道を避けて,標高1,000mの内黒峠を越える険しい山道が利用された。現在この峠越えの道は恐羅漢山への唯一の県道となる。江戸期から明治にかけて横川では豊かな薪炭林を背景に,たたら製鉄が行われ,最近では昭和32年まで操業された加計の製鉄工場へ中ノ甲から製鉄用木炭を供給した。山頂から西にかけてはブナなどの原生林に覆われるが,東斜面は伐採された。中腹にはかつて太田川筋から牛馬を集めて放牧した牛小屋高原がなだらかな草原を見せる。付近にスキー場があり,冬季,横川は多くのスキー客でにぎわう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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