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鬼ケ城山
【おにがじょうやま】


広島市の東北部,白木山塊の南端に位置し,安佐北区中深川・上深川・狩留家(かるが)のかつての3大字の境をなす山。標高737.3m。標高350m前後を境にして,上方に流紋岩質岩石(高田流紋岩類),下方に古生層泥質岩が分布。これを反映して,山地上半部の山腹は急峻で30゜以上の傾斜を示すが,山地下半部はやや穏やかな山容を示し,標高250~350m,150~220mおよび100m前後に3段の山腹緩斜面が見られる。鬼ケ城山地の西縁は,北東~南西方向の断層に沿う急斜面によって限られ,太田川本流の河谷に臨み,東縁にも断層線に沿ってつくられるケルンコル(断層鞍部)・断層沢などの地形や,古生層を刻む多数の割れ目の方向によって,北東~南西方向の断層の存在を推定できる。流紋岩を母材とする山地上半部はアカマツの生育が比較的良好であるが,スギ・ヒノキの植栽には不適。中腹部は流紋岩の崩積土を母材とするためやや礫に富み,アカマツやシリブカガシ・アラカシの混交林となり,またヒノキ・スギの造林の適地がある。古生層からなる山地下半部では,埴質な土壌で礫に富み,アカマツの生育が良い。江戸期においては,中深川村では御留山,上深川村では御建山となっており,藩の直接的な管理下に置かれた林野であった。上深川側に鬼竃岩があり,岩下の洞穴に泉を出すという。また同じく鞍掛岩・魚城岩がありともに巨石をなす。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7188137