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鬼ケ城山
【おにがじょうやま】


佐伯郡の西端,山口県境にそびえる山。標高1,030.9m。西部は山口県錦町,東部は佐伯郡佐伯町飯山にまたがる。南方6kmの羅漢山を主峰とする1,000m級の山塊に属する。北方6kmの冠山(1,339m)山塊とは冠山断層によって区別される。山容は急峻な山口県側に比して広島県側は尾根の一部が屹立するだけで広くなだらかな麓を持つ。標高800mの花崗岩からなる高原が南方羅漢山まで広がる。当地を源流とする小瀬川は谷頭浸食が活発で飯山から栗栖の間に羅漢渓谷を発達させる。屹立する山頂は高原上に丸く突出した溶岩円頂丘で,橄欖岩玄武岩や角閃安山岩よりなる。「此山の岩屈ニ大キ成ル洞ら穴有,往古彼の穴ニ鬼住候故鬼ケ城と号す由申伝え」(国郡志書出帳),「此山奇峻尋常ならず,故に鬼を以名とす」(芸藩通志)とあるのが由来。近くに飯山貯水池や羅漢渓谷,北側にスキー場もある。大竹市と山県郡加計(かけ)町を結ぶ国道186号を軸に交通も便利で,高原の四季を味わえる山と高原である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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