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海老山
【かいろうやま】


広島市佐伯区五日市町地区の海岸にある山。標高53.7m。北1kmにある新宮苑団地(標高38m)と同じ花崗岩の離島であったが,八幡川の堆積や新田の干拓,塩田跡の埋立てにより完全に陸化した。広島湾に臨む要所を占め,宍戸備前守の居城があったといわれる(佐伯郡誌)。西側には五日市漁港が今もあり,昔は海老塩浜の地であった。西麓に祀られている塩屋神社は,「塩屋神社,塩浜護神なり」(芸藩通志)とあるが,古くから水神を祀る神社である。七月下旬の夏祭りには,無数の漁船が海面を覆う。塩田跡をはじめとして周囲は閑静な住宅地に変貌,北側を国道2号・国鉄山陽本線・広島電鉄宮島線が並行する。昭和初期まで中島海水浴場で有名であった南側も,今は住宅地で海が遠くなった。アカマツの林が広がる尾根筋は海老山公園がつくられ,児童公園やスポーツ広場が整備されている。尾根北端に護国神社の小祠が残るが,塩屋神社に移された廃祠である。公園は桜の名所で,季節には花見客でにぎわう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7188198