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柏島
【かしわじま】


三津口湾口に位置する島。豊田郡安浦町に属す。面積0.14km(^2)。周囲約4km。人口1名(昭和55年)は近郷に有名な大山祇神を祀る柏島神社の神主である。全島よく繁茂したヒノキ林に覆われる。周囲は3~17mの水深で,中央の峰は標高55m。付近の海面は,かつての真珠養殖がハマチの養殖に変わり,1~2名の夜番が常時詰めている。伝説によれば高倉上皇の厳島御幸時,南東の馬島で仮泊し,打った拍手がこだましたので拍手島と名づけ転じて柏島になったという(安浦町の展望,昭和38年)。柏島神社は漁業と海上交通の神として漁民の信仰篤く,旧暦5月11・12日の大祭には瀬戸内海各地からの数百隻の船と灯火で埋まり,管絃船が本土側から出て島を一周して戻る。そのため,隣の安芸津では伊勢講・胡子講・宮島講などとともに柏島講がある。社宝として,東郷元帥揮毫の「高倉上皇みそぎの宮」の軸や宝剣類が残る。三津口漁民の守護神でもあった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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