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春日池
【かすがいけ】


福山市春日町浦上にある池。瀬戸池・服部大池と並び古くから備後の三大池といわれ,寛永20年前後に農業用水確保の目的で,福山藩の藩営事業として築造された。現在,堤高12.3m,堤長242.3m,水面標高約20m,有効貯水量40万m(^3),受益面積83.5ha。三方を丘陵に囲まれた平地溜池で,堤防は途中で「く」の字になっている。春日土地改良区が管理。「春日池史」によれば,正保元年正月大奉行小場兵左衛門,普請奉行吉田弥惣右衛門,郡奉行酒井浅之助によって築造着工,同2年8月に完成,藩命により浦上大池と命名され,のち能島池・春日池と三様に呼称され,元禄12年には春日池と統一されたという。また「福山志料」「福山市史」「春日村略史」には,総奉行として神谷治部が参画し,寛永19年に完成したとされるが定かではない。寛文8年の「浦上池御条目の写」によれば,池元は,浦上・能島・吉田の3か村で,池の樋守給米は,新田地帯の引野沼田・市村沼田・事田沼田の3か村で灌漑面積に応じて割り当てられた。現在,池の周囲は住宅地化が著しく,東方には大門団地などがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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