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観音山
【かんのんざん】


呉市北部の苗代町の小盆地と焼山町の小盆地の間で南北に連なる小山塊のうち最北のもの。南北に延びる山塊のうち北端のピークは三石山(449.2m)でここから北は安芸郡熊野町,西山腹~山麓は呉市押込(おしごめ)町,他は苗代町に属す。南のピークは標高441.6m。黒雲母花崗岩よりなるが,南部では花崗斑岩脈が東西に貫入している。山頂・山腹には露岩が点散する。山稜に巨岩があり,そこに観音堂がある。「呉市史」第2巻によれば中世山城の一角に当たり,南麓の西条(にしじよう)付近が本丸であったと推定される。宝永3年の古地図にその名がみえる。また,「芸藩通志」の村図には文政ころの様子が描かれ建観音山と見え,藩有林であったことがうかがえるが,山麓は必ずしもそうでなかったようで,しばしば村民による盗伐があったことも古文書にみえる。最近,広島と呉の中間に位置するこの付近では宅地開発が急速に進むが,当山西山麓でも住宅地が増加している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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