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木ノ宗山
【きのむねやま】


広島市安佐北区の高陽町地区と東区福田町地区の境にある山。標高413.1m。山地上半分は古生層からなり,山腹は30°以上の急傾斜をなすが,花崗岩からなる山麓部にはわずかながら山麓緩斜面の発達がみられる。土壌は礫に富む埴質の土壌で,全山アカマツの二次林に覆われる。江戸期,当初より御建山に指定され藩の直接的管理下にあったが,近世末~明治初期においては,小河原村では,山地上半部は入会地としての野山利用,下半部は個人有の腰林として占拠し,全山薪山として利用していた。山頂部には一部草山が見られた。山頂に木ノ宗山城という古城址があり,吉川興経(天文19年9月27日自害,上深川友光に墓あり)の築城とも,福田村所伝によれば,奥西仲網の築城ともいうが不詳。また北麓の中深川陰地に弘法大師伝説に由来するという水無し谷と呼ばれる所がある。西には中深川と福田の境をなす三田ケ峠がある。明治24年,畿内を中心とする銅鐸と北部九州を中心とする銅剣が同時に出土し,注目をあびた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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