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古頃山
【こごろやま】


県北東部,比婆郡東城町の北部にある山。標高1,158.5m。本県・岡山県・鳥取県の3県にまたがる三国山から南西に延びる尾根上にそびえ,小奴可(おぬか)と内堀(うつぼり)の境をなす。地質は,県境から分布する白亜紀花崗岩類。南西の岡山県の鷹ノ巣山(1,144m)と連続する広い麓と多くの谷を有し,山頂だけが尾根上に丸く突出する。麓は植林地,中腹からは落葉広葉樹にかわり,秋の紅葉が美しい。西の道後山(1,268.9m)とは東城川上流の持丸川で切られ,谷沿いの道は陰陽連絡路の1つであった。小奴可字持丸の地は,たたら製鉄の跡をとどめる。古頃山を削る深い谷奥に今も残るブナの巨木にまつわる伝説がある。昔,山奥に化け物が住んでいて,このブナの枝に振袖を掛ける時があった。それは麓の持丸で災難を起こす前兆であったという。難を防ぐための石地蔵が今も残り,振袖谷の名も残る。




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「角川日本地名大辞典」
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