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権現山
【ごんげんざん】


広島市北西の安佐北区安佐町後山にある山。標高490m。地質は黒色千枚岩および粘板岩を主体とする堅い古生層。三角錐の団塊状の山容を呈し,西に尾根を延ばす。東斜面と北斜面は急斜面で太田川とその支谷に落ちる。荒谷山を中心とする中生代の花崗岩地域に接する南麓にのみ,丘陵性の緩斜面が広がる。荒谷山と接する峠は,安佐町毛木と安佐南区安古市町地区を結ぶ旧道であった。太田川を下った筏の櫂を担いで帰る筏師も多かった。茶店も立ってにぎわったと古老は懐かしむ。山頂に日裏山神社がある。昔は北斜面中腹にあった神社で,その跡は古社壇と呼ばれ,今なお参詣者がある。御座岩と呼ぶさざれ石を御神体とする。山頂境内には馬場の跡がある。信仰の対象となっていた山で,多くの谷や尾根には狸城・女夫釜(めおとがま)・一手矢(ひとてや)・岩倉などの俗称が残る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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