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権現山
【ごんげんざん】


広島市北郊の安佐南区緑井町にある山。権現山は字名としてもある。標高397.1m。北にそびえる阿武山の支脈で,東の鞍部は標高300mの鳥越峠。西方の野登呂山へ続く花崗岩地域の東端。多くの支谷が縦横に刻む丘陵性山地である。南側中腹にある毘沙門天は「安芸国守護武田氏が祇園銀山城築城の際,その北方の鬼門除けに権現山元成寺跡に建てたもの」(佐東町志)である。緑井地区岩谷の奥深くに鎮座し,背後は花崗岩の絶壁が迫る地である。現在,縁結びの神として参拝者を集める。西の鞍部は岩屋峠(260m)で古く安と筒瀬を結んだ。東斜面中腹から発掘された箱式石棺2基は,古墳時代前期のものと推定されている。昭和45年,山頂に佐東テレビジョン中継放送所が完成,林道も開通した。同年,明治百年を記念する憩いの森の1つに指定された。山頂からは,太田川の悠久たる流れや南方に広島市街と広島湾を眺望でき,信仰と行楽に親しまれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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