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西条盆地
【さいじょうぼんち】


県中南部,賀茂台地を300m近く浸食して形成された盆地。標高200~260m。一般に,東広島市西条町地区にある西条盆地を指すが,広くは東の白市盆地,西の八本松盆地,南の黒瀬盆地も含めて呼ぶ。盆地の周囲は水丸山・曽場ケ城山・竜王山・白鳥山など500~600mの山々に囲まれ,盆地内には鏡山・二神山・槌山などの花崗岩丘陵が点在するほか東子滝より下流には約80~200万年前の前期洪積世に堆積してできた洪積台地が広がっている。白市盆地も同様に台地が広く,黒瀬盆地にも台地のほか黒瀬川沿いに河岸段丘が発達する。東子滝より上流は浸食が及ばないため平坦な沖積平野が広がる。沿岸部に比べて気温は1~2℃低く,年較差も大きく盆地特有の気候を示し,降水量もやや少なく,黒瀬川・沼田川をはじめとする河川は集水面積が小さく,並竜寺池など西条町だけでも約800の溜池があり,灌漑はこれに頼っている。盆地の丘陵はアカマツに覆われ,開析谷は水田に利用されているが,近年,丘陵上にはゴルフ場をはじめ多くの施設が集まり,国立広島大学の移転もあって大きく変わろうとしている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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