100辞書・辞典一括検索

JLogos

9

三段峡
【さんだんきょう】


山県郡の芸北町と戸河内町にまたがる峡谷。太田川の支流柴木川沿いに位置する。延長10km。大部分は細粒の硬い石英斑岩地帯の中を断層や節理にしたがって流れ,樽床ダムから柴木まで落差400m,両壁の高さ300~700mの峡谷が形成されている。特に樽床ダムから三段ノ滝までは絶え間のないほど瀬と滝が続き,なかでも竜門・三ツ滝・二段ノ滝・三段ノ滝は大きい。これより下流では淵が多くなり,かつての滝壺である黒淵・大淵をはじめ,猿飛・耶源・王城・竜ノ口やぐる滝がある。周辺の自然が失われるなかでこの峡谷だけは自然が保存され,昭和28年に国特別名勝に指定された。峡谷には春はコブシ・フジ,初夏にはキシツツジが咲き,夏の深緑,秋はカエデ類やヤマウルシ・ヌルデなどの紅葉が美しく,谷底にはケヤキ・サワグルミ・トチノキ・カツラ,谷壁にはツガやイヌブナが自生している。また,恐羅漢山から発する川に沿う奥三段峡にも12か所の滝と蛇淵などの淵がみられ,ぐるの瀬に合流する二谷(ふただに)には落差20mの四段滝,黒滝をはじめ24の滝が懸かっており,ここも最近訪れる人が多くなった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7189105